多くの企業で不妊治療を受けながら働ける職場のサポート体制づくりが進められています。こうした体制をつくることが、経験豊富な社員の離職の防止や、長いキャリアを見据えた若い人材の引き寄せ、社員のモチベーションの向上につながります。
不妊治療の特徴として、予定が急にずれてしまうこと、複数回・長期に渡る通院が必要であることから、当事者だけでなく職場での理解とサポートが重要です。不妊治療と仕事の両立をキャリア形成の一部として、上司や同僚との相互理解の浸透や、ハラスメントのない職場づくりは企業にとっても前向きな取り組みです。
現在、不妊治療を受ける人は増加しており、特別なことではなくなりつつあります。各企業の経営状況や企業規模によって可能なサポートはさまざまかと思います。社員の健康状況に合わせてどういったサポートができるのか、どういったサポートをしていきたいのかを話し合われてみることも大きな一歩になります。
仕事と不妊治療の両立を実現するためには、多様な働き方制度(柔軟な勤務制度)の導入が必要です。
長野県は、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進するため、企業の多様な働き方制度導入を支援しています。
テレワークや有給休暇時間単位取得制度等、多様な働き方制度の導入に関するアドバイスや事例の説明など専門のアドバイザーをご利用いただけます。費用は必要ありません。
「職場いきいきアドバンスカンパニー」認証制度(下記参照)の申請補助も行っています。お気軽にご相談ください。
業務委託先:イーキュア株式会社(松本市)
電話:0263-40-0234(平日 9:00~17:00)/info@ecure.co.jp
「不妊治療連絡カード」は、不妊治療を受ける、今後予定している従業員が、企業側に不妊治療中であることを伝えたり、企業独自の仕事と不妊治療の両立を支援するための制度等を利用する際に使用することを目的として作成されたものです。
企業や職場に、仕事と不妊治療の両立に関する理解と配慮を求めるためのツールとして、または仕事と不妊治療の両立支援制度を利用する際に医師、または医療機関が発行する証明書等として、企業や職場と、仕事と不妊治療の両立を行う従業員の方をつなぐツールとしてお役立てください。
不妊や不妊治療に関することは、その従業員のプライバシーに関することです。従業員自身から相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことが起こらないよう、プライバシーの保護に配慮する必要があります。
また、職場での従業員の意に反する性的な言動(性的な事実関係を尋ねる、性的な冗談やからかい等)は、セクシャルハラスメントになる可能性がありますので注意が必要です。
不妊・不育治療に関する疑問にお答えします
年齢とともに卵子も精子も老化していくため、妊娠の確率も低下していきます。
また、女性の妊孕率(妊娠する力)は30歳から徐々に低下していき、35歳から急激に下がるというデータもあります。
2021年の調査によると、不妊の検査や治療を受けたことがある、または現在受けている夫婦は全体の22.7%で、この数字は夫婦全体の4.4組に1人にあたります。結婚5年未満の夫婦では6.7%が、不妊に関する検査や治療を現在受けています。(国立社会保障・人口問題研究所)
日本産婦人科学会の発表によると、2020年に体外受精によって誕生した子どもの数は60,381人でした。この年に生まれた子どものおよそ14人に1人の割合です。
不妊・不育症に悩む夫婦は増加傾向にあります。不妊・不育症に関する悩みをお持ちの方は、1人で悩まないでご相談ください。