しあわせ信州

妊活について

将来の妊娠を考えながら生活や健康に向き合う

妊娠前からの健康管理(プレコンセプションケア)

プレコンセプションケアとは?

コンセプション(Conception)とは、「受精・懐妊」の意味で、新しい命を授かること。プレコンセプションケア(Preconception Care)とは、若いうちから将来の妊娠を考えながら女性やカップルが妊娠前の健康管理に取り組むことです。
これにより、女性やカップルが正しい知識を持ち、日々の生活や健康と向き合うことで、将来、妊娠や出産を望む場合は妊娠・出産に向けた適切な準備ができます。
妊娠・出産を望む女性やカップルだけでなく、今は妊娠を考えていない方にも大切なことであり、実際に妊娠・出産するのは女性ですが、男性の正しい知識に基づいた行動が、男性だけでなく女性や赤ちゃんの健康につながっていきます。

なぜ、プレコンなの?

若い女性のやせ・肥満の増加、出産年齢の高年齢化などリスクの高い妊娠が増えています。妊娠前に自分の体を知り、リスクを減らしていくことが、将来の健やかな妊娠・出産につながります。
「生理不順」「生理痛」など月経に関係することが不妊の原因になることがあります。妊娠や出産について正しい知識を得て行動し、将来の不妊のリスクを減らします。
また、妊娠・出産の選択の有無に関わらず、自分の体を知ることは、長い人生に大切なことです。

持病がある方
服薬治療をしている方

主治医に妊娠を希望していることを伝えましょう。
薬によっては妊娠に影響したり、妊娠することで病状が悪化することも考えられます。
主治医の管理のもとで、安心して妊娠の準備をしましょう。

「月経周期」を正しく理解していますか?

月経周期

月経の初日から次の月経の前日までのことを言います。

排卵日予測

月経周期が決まっていれば妊娠しやすいタイミングが分かります。
次回月経の14日±2日前に排卵があると予測されます。
排卵時期が分かることで、卵子と精子の寿命から、妊娠しやすい時期、しにくい時期が分かります。精子の寿命は3~4日、卵子の寿命は24時間です。(受精できるのは6~8時間のみといわれ、出会うタイミングが大事です。)
月経があっても排卵していない場合もあります。基礎体温を測ることで排卵の有無、卵巣機能が正常か分かります。測定について、詳しくはこちらをご覧ください。

例えば、月経が12月28日~1月1日、1月25日~29日で、ずっと規則的な場合
→月経周期は28日
→次の月経は、2月22日ごろからかな?
→排卵は、その14日前の2月8日±2日なので2月6日~10日ごろかな?と予測がつきます

妊娠力アップのために

特別なことではなく、一般的に「健康にいい」「体にいい」と言われている生活習慣を心がけることが、妊娠力のアップにつながります。

体づくり

適正な体重

女性

  • 栄養不足によるやせ(BMI18.5以下)
    貧血や骨粗鬆症の原因になる
  • 栄養過多や太りすぎ(BMI25以上)
    将来、糖尿病や高血圧など病気のリスクが高くなります。BMIが高いほど、妊娠率が低下すると言われています。

男性

肥満の男性の精子は、精子の数、濃度、運動性が低く、奇形率が多いことが分かっています。適正な体重になることで、精子の質が改善することも分かっています。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMI
18.5未満低体重(やせ)
18.5以上25.0未満ふつう(適正な体重)
25.0以上肥満
適度な運動

適正な体重のためにも必要です。
また、ストレス解消など心の健康にもよいことです。
ウォーキングなど二人で楽しみながらやってみませんか?

ストレス

身体的ストレス、精神的ストレスなどストレスは人それぞれですが、十分な睡眠をとり、できるだけストレスをためないよう趣味やリフレッシュできる時間を作りましょう。

女性

女性ホルモンは脳の視床下部というところから分泌指令が出ています。視床下部はストレスに弱く、過度のストレスを受けるとホルモンバランスが崩れることがあります。

男性

精神的ストレスにより脳下垂体からのテストステロンというホルモンの分泌が低下し、造精機能の低下につながります。

生活習慣改善

バランスの良い食事
  • 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと摂取しましょう
  • 不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと(副菜は元気とキレイの強い味方)摂取しましょう
  • 「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に摂取しましょう
  • 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などカルシウムを十分に摂取しましょう
参照:「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」2021.3年厚生労働省

女性

栄養不足による女性のやせは、月経不順や不妊、低出生体重児の原因になるなど、将来の妊娠や出産に影響があります。
肥満は、排卵障害との関連性が高いと言われています。

男性

糖尿病によるED(勃起障害)や糖尿病が重症になると射精障害になることもあります。

葉酸

葉酸はビタミンの一種で、しっかり摂取することで、赤ちゃんの二分脊椎などの神経管閉鎖障害の予防につながります。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができる時期(受胎後およそ28日)におこる先天異常のため、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性のある女性は緑黄色野菜を積極的に摂取し、サプリメントも上手に活用しながら、しっかり葉酸を摂取しましょう。
ただし、サプリメントの取りすぎには注意が必要です。

多く含まれるもの:
ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆、納豆、いちごなど

参照:「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」2021.3年厚生労働省

危険ドラッグ・有害物質

危険ドラッグや麻薬、シンナーなどは、自分の体に悪影響があるだけでなく、将来生まれてくる赤ちゃんの健康にも影響する可能性があります。絶対にやめましょう。

喫煙(タバコ)

がんや心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。

女性

胎児の発育障害や先天異常の増加につながると言われています。
女性が喫煙しなくてもパートナーの喫煙による受動喫煙でも影響があります。

男性

喫煙することで、精子の濃度や運動率が低下、奇形率が上昇し、妊娠しづらくなります。
男性ホルモンの低下やニコチンの影響で血管が収縮し血流が悪くなり、EDになることもあります。

男女ともに不妊症のリスクが増加します。
WHO(世界保健機構)は、妊娠中の電子タバコの使用もリスクがあるとしています。

飲酒(アルコール)

アルコールと妊娠についての研究は多くありますが、摂取量や期間が妊娠に影響するかどうかは明らかになっていません。
ただし、妊娠中に飲酒すると、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、流産や死産、胎児性アルコール症候群(妊娠中の飲酒が原因で赤ちゃんにさまざま症状が現れる病気)の原因になります。「このくらいなら大丈夫」と考えず、妊娠中はアルコールを控えるようにしましょう。

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