妊娠するけれど、2回以上の流産・死産、もしくは生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合をいいます。
流産や死産をおこしても半数は偶発的なもので、特別な治療を行わなくても次回の妊娠経過は良好なのですが、残りの半数に血液の凝固異常や夫婦の染色体異常、子宮の形態異常などが認められることがあります。
不育症とは、一つの病気ではなく、いくつかの症状を含めていわれる総称です。
流産とは、妊娠22週未満でおなかの赤ちゃんが亡くなってしまうことをいいます。妊娠22週以降に亡くなった場合を死産といいます。
妊娠12週未満の早い時期の流産が多く、赤ちゃんの染色体異常による場合がほとんどです。
流産は、妊娠の10〜20%で起こる妊娠最大の合併症です。
女性の加齢とともに増加し、40歳代の流産は50%という報告もあります。
近年、妊娠・出産数が減少した一方で、妊娠する女性の高齢化により流産率は増加しています。
不育症は、決して珍しいものではありません。
様々なリスク因子がありますが、主なものは以下のとおりです。
主なものは、血液凝固異常、子宮形態異常、内分泌異常、夫婦の染色体異常ですが、約60%はリスク因子がわからない状況です。
これらの因子があっても、100%流産するわけではありませんので、この因子を有していると流産するリスクが高いという意味で『リスク因子』と呼んでいます。
2回以上の流産・死産、早期新生児死亡を繰り返した場合には、不育症の検査を受けることが推奨されます。
検査には、血液検査や子宮の形を見るための超音波検査などがあります。
「流産を繰り返し、不育症が心配」と思うときは、不育症の検査について産婦人科の主治医に相談しましょう。
不妊・不育治療に関する疑問にお答えします
不育症についてはまだ分かっていないことが多く、原因を特定することは難しいのが現状です。
妊娠初期の流産の場合は、胎児の染色体異常が主な原因と言われており、男性側、女性側どちらにも要因があります。
ほかに、凝固異常、子宮形態異常、内分泌異常、母体の高年齢化などさまざまな要因があります。
妊娠はするけれど、流産・死産や新生児死亡などを2回以上繰り返し、結果的に子どもを持てない場合を不育症と呼んでいます。
流産の多くは、偶発的なものですが、2回以上繰り返す場合は、産婦人科の主治医に検査について相談しましょう。
不育症と診断された方も、80%以上の方が出産に至るというデータがあります。
不妊・不育症に悩む夫婦は増加傾向にあります。不妊・不育症に関する悩みをお持ちの方は、1人で悩まないでご相談ください。